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みなさん、いかがお過ごしでしょうか。相談支援事業所さくらの家です。

大変恐縮ですが、今回は一職員の個人的なエピソードになります・・・。

今回は最近私が読んだ本をご紹介したいと思います。テーマは「私と読書、そこから見える好きだとか偏愛だとかの力について」。え、大げさですか?すみません、だいたい肩に力が入りがちなのです。

 

ここ数年、本がすごく好きになりました。もともと好きなほうではありましたが、読書量は多くはありませんでした。

そんな私と本の付き合いが変わってきたのは、コロナが流行り出して以降だと思います。

 

世界の変化を前に、これまで当たり前だと思っていたものがそうでないことを突き付けられている昨今。自分の足元が揺らぎ続けているのを感じるようになった頃から、本を読むことは、自分がどうにか歩き続けるための杖になっているような感覚があります。

読み進めるのはゆっくりなので、そんなにたくさんの本が読めるわけではないのですが、以前の私からするとずいぶん変わったな・・・と思います。

 

最近良かった本と言えば、哲学研究者である永井玲衣さんの「水中の哲学者たち」です。

「哲学対話」ってご存じですか?私はこの本に出会うまで知りませんでした。哲学対話とは永井さんの言葉を借りると「哲学的なテーマについて、ひとと一緒にじっくり考え、聴きあうというものだ。普段当たり前だと思っていることを改めて問い直し、じりじり考えて話してみたり、ひとの考えを聴いてびっくりしたりする。」という対話の形なのだそうです。

永井さんはその哲学対話のファシリテーターをされています。哲学対話で扱う問いは本当にさまざまです。

「なぜひとは生まれるのでしょうか」「大人ってなに」「なぜひとの恋人は良さげに見えるのか」「わかっちゃいるけどやめられないのはなぜか」「エゴイスティックでない生き方はありえるのか」などなど。

 

普段当たり前のことと思い、考えてもみないようなことについて、深く掘り下げてみる。当たり前と思っていたことが、実はそうでもなくて、思い込みであったり集団が作り出す幻想であったり。そんなことに思い至ったとき、世界の見え方がほんの少し変わってくる。普段考えもしない事柄についてじっくり目を向けて自分の言葉でつっかえつっかえそれについて語ってみる。

この本は永井さんが哲学という切り口から日常を眺め、感じたことをつづった哲学エッセイです。

 

自分の「好き」について長々と語ってしまいました・・・。でも、この「好き」っていうのが、ひとが生きていくうえでものすごく大事なことなんだなと最近思います。

 

私たちが利用者さんの生活をサポートするときにも、ご本人の「好き」がその人の力を引き出すきっかけになったりします。ものすごく好きなことがあればそれもいいし、そうでなくても「ちょっとこの時間があると心が安らぐんだよね・・・」ということでもいい。日常に欠かせないちょっとした習慣を持っていて、それを大事にしている人もいる。

相談支援を行うなかで、この視点は大事にしたいなあと思います。

 

 

オフィシャルな支援だけでなく、自分の生活の中にある大切にしたいもの、それがあなたや私の人生を支えている。

つらい状況にある人と話をするなかで、そんなことをじわじわと感じたのでした。

  

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